「最近CBDCという言葉を目にすることがあるけど、何なんだろう?」
「CBDCってデジタル通貨のことらしいけど、電子マネーや暗号資産と同じようなものかな?」
そうした疑問を感じた人も多いのではないでしょうか。
この記事では「CBDC=Central Bank Digital Currency」について解説していきます。
目次
CBDCとは?
CBDCとは、一言で言えば「中央銀行が発行するデジタル通貨」です。
デジタル通貨、というとわかりづらいかもですが、たとえばSuicaや楽天ポイントなどもデジタル通貨の一つですよね。
JRだとか楽天、といった一企業が発行しているデジタル通貨であって、わたしたち利用者は日本円でそれを買って利用しているわけです。
これまでは圧倒的に実物がある「現金」がお金を使う際には多かったわけですが、これからはそうしたデジタル通貨が増えていきそうですよね。
荷物にもならないし、管理も楽だし。
暗号資産、電子マネーと何が違うの?
「CBDCは暗号資産や電子マネーとは何が違うの?」と思う方もいるかもです。
ここからはその点を解説していきます。
暗号資産との違い
暗号資産との違いはいくつもありますが、一番は「中央集権型か、分散型か」という点だと思います。
もう少しかみ砕いて解説します。
上でも書いた通り、CBDCは中央銀行が発行しています。
となると、その管理は中央銀行が担うことになるわけです。
たとえば、どれくらい発行するのか、その通貨の信用力はどうやって守られるのか、などなど。
暗号資産の場合、そうした管理を行っているのは中央銀行のような1つの集団ではないわけです。
電子マネーとの違い
電子マネーとの一番の違いは「どこが発行しているのか」という点でしょう。
上でも書いた通り、CBDCは「中央銀行」、日本の場合は日本銀行が発行しています。日本銀行がその信用力を担保しているわけですね。
日本銀行のHPにも、CBDCの定義について以下のように書いてあります。
一般に「中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)」とは、次の3つを満たすものであると言われています。(1)デジタル化されていること、(2)円などの法定通貨建てであること、(3)中央銀行の債務として発行されること。
(引用元:https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/money/c28.htm/)
ここで言う(3)の「中央銀行の債務として発行されること」というところがポイントなわけですね。
中央銀行が、CBDCについてはバックについていますよ、ということです。
どこかもわからない一企業よりも、中央銀行の方が万一の際に倒産してしまうリスクは低いと思うので、そうした意味で信用力がありますよね。
どんなメリットがあるの?
ここまでで、なんとなくでもCBDCのイメージは持ってもらえたのではないでしょうか。
ここからはCBDCのメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。
中央銀行が発行していることによる信頼性
上でも紹介した通り、CBDCの発行元は中央銀行です。
ということは、CBDCが信用できるのか、は中央銀行の信用力、大きく言えばその国の信用力による、ということになりますよね。
外国との力関係で為替の影響は発生してくるかもですが、その国で生活している分には特に気にする必要もないかもです。
たとえば楽天ペイやSuicaなどは、その大元の企業がなくなってしまうと、基本的にはそこで使われていたポイントも「なし」になってしまいます。
(あくまで例であって、そうした企業についてどうこういう意図はないです)
もちろん、国のことが信用できない、となってしまうとCBDC自体も信用できない、ということになるわけですが、日本にいる分にはそこまで心配することはないかと思います。
法定通貨のように使えるようになる(かも)
中央銀行が発行している、という意味では、いわゆる法定通貨と同じように使えるようになるかもです。
日本で言えば、ふつうに日本円の硬貨やお札と同じように使えるようになる、ということですね。
ここはまだこれからの領域なので不透明なところもありますが、信用力という意味では可能性ありますよね。
決済(お店で支払う時)の読み取り端末を整備する必要がある、とか、具体的で細かい話をどうするか、ということはありますが、時間をかけてふつうの生活インフラとして世の中に広まっていく可能性はあると思います。
デメリットはないの?
一方で、デメリットについても考えてみます。
すべてを捕捉される
一番は「お金の流れを捕捉される」ということでしょうか。
どこで、誰が、どういう風にお金を使ったり、受け取ったりしたのかを中央銀行にデータとして蓄積されていく、ということが考えられますよね。
もちろん、悪いこと(脱税など)は論外なのですが、特に知らせる必要がないようなことまで情報としてとられてしまうのはあまり気持ちのいいものではないかもです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事では、「国」が発行する「デジタル通貨」という「Central Bank Digital Currency(CBDC)」について解説してきました。
日本だとまだまだ日本円が主流なのでCBDCと言われてもピンと来ないですよね。
ただ、これから実験などもされていくでしょうし、今のうちから知っておいて損はない知識だと思います。
ちなみに、CBDCと同じ「デジタル通貨」である暗号資産も2022年では注目されているトピックの一つです。
暗号資産については、以下の記事で簡単にわかるように解説しているので参考にしていただけると嬉しいです。